2014/07/19

怒りの発生メカニズムと対処法

今回のテーマは怒り。

そもそも怒りとは何かというところから入って、それをコントロールするにはどうしたら良いかというのを考えてみます。 

まず、怒りとは何か。

怒りの実体は混乱です。

人が怒るときに吐くセリフといえば「うるさい!」とか「邪魔!」あたりでしょうか。

もうちょっと長いのだと「なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないのよ!」とか。

これらの怒りが発露するための前提として、「自分としてはこうあって欲しい」という願望が存在します。

「うるさい!」であれば、自分は静かな環境で過ごしたいという願望が、「邪魔!」であれば自分はすっきりした環境で作業したいという願望が前提としてあります。「なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないのよ!」であれば、周囲の人は自分の気分を害さない言葉のみをなげかけるべきだという願望ですね。

で、その願望が実現しなかったときに怒りは発現します。

願望に支配されていたアタマが、突然つきつけられた現実に対処できず混乱し、コントロールを失っている状態が怒りです。

つまり怒りとは願望と現実のギャップに対応できていないアタマの混乱状態なのです。


では、起きてしまった怒りにはどう対処したら良いか。

願望と現実の間のギャップが混乱のもとなのですから、そのギャップを埋めるのが基本路線になります。

手っ取り早いのは自分の願望を修正すること。願望は願望に過ぎず、現実とは差があったいうのが目の前にある事実なのですから、それを受け入れて願望のレベルを現実にあわせて修正する。そうすればギャップは解消され、怒りも消滅します。


別の方法としては現実の方を願望に合うように修正するというのもあります。ただしこれが効果的かは場合によりけり。怒りの対象が話の通じる相手であれば話し合って変えて(変わって)もらうのも不可能ではないと思います。が、僕はあんまりやりません。基本的に人は変わらないので。特に人から押し付けられた外力によっては。

相手が全く聞く耳をもたなかったり、自分が取り合えるサイズを超えている(例えば相手が大きな組織であるとか)のであれば、そもそも相手を変えてギャップを解消するのは不可能です。その場合は、自分の願望を修正するしかありません。それもできないのであれば、最後の手段、関わりを断つことになります。


もっとも、一番良いのはそもそも怒りを発生させないこと。つまり、あらかじめ現実をしっかりと調べておき、願望とのギャップを小さくしておくことです。そうすれば怒りは発生しないか、発生しても小さくて済みます。

もし対象に対する十分な情報が得られないのであれば、その時点では願望は持たない。そうすれば現実があらわになったときに願望とのギャップにさいなまれることもなくなります。


となると、究極の怒り対策は常に願望を持たないことになります。願望を持たずに、全て現実ベースでものごとを進めていけば、怒りも発生しようがありません。

が、願望を一切持たないというのはさすがに味気も現実味も無いので、実際の落とし所は

・できるだけ対象のことは深く理解するように努め、過渡の願望は抱かない。
・怒りを感じたら、即座に現実と願望のギャップを探して、願望の修正を図る。

あたりがバランス良いんじゃないかと思います。


もちろん、こんな御託を並べるのと実行するのでは大違い。

僕自身は怒りをコントロールできるほど出来た人間ではないのであしからず。


では。