2012/09/19

【組織論 前編】人の本質は変わらない。

これまでの人生の中でそれなりの数の人と関わって来ました。特に前職においてはマネジメントを担う立場から人と組織をどのように動かしていくかに苦心しました。

その中で至った人と組織に対する僕なりの見解(現時点での結論)を三部構成でまとめてみます。

まず初回は人について。

人に対する僕の結論は人の本質は変わらないということです。

人は変わらないではなく、人の本質は変わらないです。

すなわち、ある人の特徴を仮に星型(☆)とすると、


この人は基本的には一生ずっと星型です。自然と丸型や四角形になることはありません。ただし一生このままで変化しないかというと決してそうではありません。

星型が大きくなったり、


尖ってる部分がさらに伸びたり、


と、星型の特徴を維持したままでプラスに変化していくことは十分に考えられます。これが成長と呼ばれるものです。当人にとって非常に望ましくかつ自然な形です。

一方で、この星型を無理やり三角形(△)に変えようとするとどうなるでしょうか。基本的にそれは対象者にとってストレスとなります。

大抵の場合、自分ができうる範囲での三角形に留まるか、


もの凄く頑張っても、せいぜいこれくらいの三角形です。


このように無理やり形を変えようとするのは矯正という行為で、当人にとって非常に不自然な状態です。この状況が長く続けばストレスが当人を蝕むばかりでなく、本来持っている可能性をも殺してしまいかねない危険な状況です。当人にも周囲にも良い影響は無いので極力避けた方が良い状況です。

この矯正が唯一必要となるのが、世の中で生きていくにあたり最低限の能力が身についていないとき。いわゆるしつけです。仮に最低限必要な能力を◯部とすると、


こういう状況の場合は、ある程度矯正して◯部は身に付けさせる必要があります。ただしそれ以上の矯正は行わず、当人として自然な形での成長を促すのが良いです。

まとめると、

・人の本質は変わらない。
・本質に沿った形の自然な成長を促すべき。
・本質に逆らった矯正は最低限に抑えるべき。

となります。

以上が初回の人についての話。

上述の通りしつけの範囲を越えた過度の矯正は望ましくないのですが、組織によっては当然の活動として矯正が行われる場合があります。

それはそもそもの組織の在り方に依拠している事象なので、次回はその観点から組織のタイプについて考えてみます。


【2021/03/01 追記】
これは言い換えると人に過度の期待をしないという諦めの姿勢なのですが、それでよいと思ってます。

なまじっか人に一方的な期待をするから不自然なプレッシャーを与えたり、勝手に落胆したりするのです。最善は尽くしつつも、結局はなるようにしかならない、良い変化が起きたらラッキーくらいの心構えで良いのです。

基本的には大人も子どもも同様ですが、子どもの場合はまだ特徴を見出す機会の施行回数が少なく、どういう特徴を持つ形なのか定まっていない状況なので、特徴を見出し伸ばすための機会と時間を多く与えてあげることは重要だと思います。

あと、人(他人)にフォーカスあてて書いてきましたが、もちろん自分に対しても同様。矯正はそこそこに、特徴に合わせた良質な成長機会を自らに与え続け、たまたまそれがうまくハマったらラッキーと思いましょう。