世の中の概念は一つの軸で語れるものはほとんど無く、大抵は様々な軸で様々な角度から語ることができると思います。なのにAの対義語はBなどと決め付けるかのように教えると、子供はその一つの軸でしか考えられなくなります。
黒の反対は白?無色透明だって黒の対極にいますし、黒を単色と捉えれば多色だって答えになります。
好きの反対は嫌い?無関心だって好きの対極にいます。(これは有名なネタですね。。)
というか、対義語的なものは一つの概念を同じ軸で見ているという点ではむしろ類義語とも言えます。広義で考えれば、Aの反対はBなどと決め付けること自体そもそも無理な話な気がします。
昨年末にちきりんさんの講演を聴いて以来「多様性」というのが僕の中で重要なテーマになりつつあるのですが、対義語の押し付けは価値観の押し付けであり、子供の多様性を奪ってしまう可能性があるのではないかと危惧します。やめた方がいいですよね。
一方で類義語をみんなで出し合うのはとっても良さそう。自分以外の人が挙げた類義語から、その人がどんな価値観で物事を見ているのかを知ることができます。これは豊かな教養のに繋がりますね。
一つの軸にこだわらず、やわらか頭でいきまっしょい。
【おまけ語録】
「叱る」と「褒める」というのは同意語だ。(野村克也)
【2020/12/23 追記】
価値観の押し付けがダメと主張しながら、「対義語を教えちゃダメ」という主張を押し付ける香ばしい一品。
まあ言いたいことは分かるし、自分なりに世の中をどう見るかに苦闘していたのもよく分かる。
教育とは教える対象の自由度を高めるために行うものなので、そこを意識した伝え方、言葉の使い方はこれからも意識していこうと思います。