2019/02/04

なぜコンピューター用語はわかりにくいのか

昨日のエントリーではパソコン初心者向けの用語言い換えについて触れました。今日はそこから発展させて、なぜコンピューター用語はわかりにくいものが多いのか、を考えてみます。

コンピューター用語がわかりにくい理由、それはコンピューターが基本的に英語文化圏でつくられているからです。

コンピューターを構成する部品はもとより、ユーザーの目にふれることが一番多いパソコンやスマホのOSを設計・開発しているのは基本的にMicrosoftやAppleなどのアメリカの大企業です。そんな彼らは当然のように英語で思考し、英語で設計・開発を行います。するとできあがるものも、当然英語で使うのに最適化されたものになります。

そこから日本語でもつかえるように表面上の使い勝手のみを変更するので、日本人にとってはわかりにくかったり、不自然と感じる部分が多々残るのです。

ちらっとiOSに目をやっただけでも「コントロールセンター」「アクセシビリティ」など難解な用語だらけ。日本人が0から開発したOSであればこのようなことは起きないでしょう。

しかしながら、コンピューター業界の大半のシェアを英語圏企業が握っているのはまぎれもない事実。我々はこの不自然さを甘受するしかないのか。

コンピューターのもつ不自然さを解消し、自然に使う最もシンプルな方法は、コンピューターを英語で使うことです。英語用につくられたものを、英語でそのまま使う。これなら不自然さが発生する余地はありません。実際ぼくはそうしています。パソコンもスマホも表示言語はすべて英語にしています。

とはいえ、これは英語になじみの無い方にとってはハードルの高い方法だとおもうので、現実的にはできるだけ自然な日本語訳にしてもらう、というところしかないかなと思います。

だがしかし、操作画面に自然な日本語を表示しようとすると、こんどは表示スペースの問題が出てきます。自然な日本語はどうしても文字数が多くなりがちなので、狭いメニュースペースや小さいボタンなどに収まりにくいのです。そこでやむを得ず簡潔な表現やカタカナ直訳にした結果、ユーザーにとっては分かりづらい表示になる、ということだと思います。無念。

以上、ここまで書いてなんら解決になっていないですが、決して悪意があるわけでなく、そういう背景があってわかりにくくなってるんだよ、というのはぜひ知っておいてください。