2014/01/22

僕を「モノを持たない生活」に導いた本

モノを持たない身軽な生活を送っている僕ですが、僕がこのスタイルに行き着いたのは一冊の本がきっかけでした。

様々な企業のブランディングやロゴ製作をてがけるアートディレクター佐藤可士和さんが書いた初の単行本、「佐藤可士和の超整理術」という本です。最初に読んだのは2008年の春頃。当時会社で隣に座っていた同僚が貸してくれたのがきっかけでした。

借り物として気軽に読み始めた本ですが、その内容にざっくと心をえぐられ、即実践を開始しました。

その結果、モノを持たない今の身軽な生活スタイルに行き着き、そこから時間的、空間的、精神的、経済的など様々な余裕が生まれるようになりました。また、モノを捨てまくる過程で「自分にとって本当に大切なもの(捨てられないもの)は何か」を考えたことは、自分をみつめ直す大きなきっかけになりました。

今の僕の生活スタイルと思考があるのは、この本のおかげといって過言でないほど影響を受けた本です。 

簡単にその内容とどのように僕が実践したかを紹介します。この本では整理術が

レベル1: 空間の整理術
レベル2: 情報の整理術
レベル3: 思考の整理術

の三段階で説明されています。

僕にとって特にインパクトが大きかったのがレベル1の空間の整理術。これにハマりました。

空間の整理術とはすっきり快適な空間をつくるための術で、要はものを減らすテクニックです。(今でいう断捨離ですが、当時はまだ断捨離はメジャーな言葉ではありませんでした。)

本の中で丁寧にその技術が説明されていますが、僕的に理解したところでは

・本当に必要なモノ以外は全て捨てる。(とりあえずとっておくは厳禁)
・機能をまとめられるモノはまとめる。 


というものです。

それまでどちらかと言えばモノが多い生活をしていた僕が、この法則にのっとりドカドカとモノを減らし始めます。

まずは本でも取り上げられている財布のスリム化。

当時使っていたのはパンツのポケットにすら入らないようなデカイ財布。ここからめったに使わないポイントカード類を抜き、電子マネーなど携帯電話に移せる機能は移し(そのために当時使っていたPHSを解約しDoCoMoへ移行)、クレジットカードも最低限のものだけを入れるようにしました。その結果コンパクトタイプの財布への移行に成功。

次に手をつけたのがカバン。こちらも毎日の通勤に「一泊旅行?」と言わんばかりの大きなカバンを使っていたのですが、その中身を徹底的に減らし始めました。よくよく考えてみれば短い通勤時間中に使うものなんて大してなく、念のために持っていたものがほとんどでした。それらを抜くことでカバンの中身も劇的に減少。最終的には、必要なものは財布と携帯と鍵だけという結論に行き着き、それらをポケットに入れて手ぶら通勤になりました。

同様に自分の部屋、会社の机からもめったに使わないもの、機能が重複しているものなどを片っ端から捨てていきました。

ちょうどその頃流行り始めていた、コンパクトスキャナ(ScanSnapシリーズ)もモノ減らしの流れに拍車をかけます。ScanSnap S1500を購入し、本や書類などの紙類を全て電子化。本体は捨てていきました。

そんなこんなで、どんどんと身の回りのモノは減っていきました。

個々のモノが減ることはもちろん爽快だったのですが、それ以上に爽快だったのが棚や収納ボックスなどの「収納するためのモノ」を捨てることができた時。これを捨てる度に、不可逆的に身軽度がアップした気がしてものすごく嬉しかったです。


モノの少なさは移動に対する抵抗力を下げるもので、ここで大幅にモノを減らしたことが、当時住んでいた渋谷から根津へと引っ越すきっかけとなり、その後の東南アジアへの旅行、沖縄への引っ越しへとつながっていきます。

また、余計なモノがなくなって生まれた余裕と、捨てる過程でそれなりに自分と向き合ったことから、それまでとは違った角度からの思考ができるようになりました。(それがこのエントリーでいう「思考の2年間」へとつながっていきます。)
 

今手元にあるモノは全部でダンボール3〜4箱程度。半日もあれば十分引っ越し準備ができそうな感じです。これからもこの状態を維持し、(あわよくば更に磨きをかけて)身軽に暮らしていきたいと思います。
 

本に書かれている、情報の整理術(レベル2)、思考の整理術(レベル3)ももちろん役に立っています。が、なんといってもインパクトが大きかったのはレベル1空間の整理術。これが今の僕の源泉です。


以上、僕の生活に多大なる影響を与えた本の(極めて偏った)紹介でした。


時々思うのが、隣の席の同僚がなぜ僕にこの本を貸したのか、ということ。

・・・やっぱり僕の机が汚かったからだよね。ごめん。

でも、ありがと。 

では。