先日書いた航海の記事がなかなか好評なので、調子に乗って今回は船舶免許についてQ&A形式で語ってみます。
以下、僕が持っている一級小型船舶操縦士免許(小型船舶免許)についてのお話です。
■Q. どんな船に乗れるの?
小型船舶免許で乗れるのは、総トン数20トン未満、または長さが24メートル未満のレジャー用ボートです。
総トン数20トンというのがどれくらいかイメージ付きづらいかと思いますが、先日乗ったこれぐらいの大きさのヨットだった問題なく小型船舶免許で操船できます。
もちろん、これくらいの小さなゴムボートにも乗れます。
これだけ大きさが違う船が同じ免許で良いのかという気もしますが、おんなじ免許でいけます。
■Q. 級によって何が違うの?
級によって、陸から離れられる距離が変わってきます。
一級は無制限でどこまでもいけます。(もちろん船の性能が伴っている必要はあります)
一方で二級だと海岸から5海里(約9km)までという制限がつきます。
以前はもっと細かく分かれていて四級とか五級もあったのですが、今は一級・二級と小型特殊(後述)の3つに集約されています。
■Q. 一級と二級で、取得の難易度はどれくらい違うの?
試験は学科と実技があるのですが、実技に関しては一級も二級も同じです。
一級の学科は二級に加えて、ちょっと難易度の高い問題(海図とか)が追加されます。
確かに一級の方が勉強は少し大変になりますが、どこまでも航海できるという自由度の高さには代えがたいものがあるので、僕は免許取得を考えてる方には一級の取得をお勧めしています(^^)
■Q. どれくらいの期間・お金で取得できるの?
僕は2009年に宮古島のボート免許教習所で取得したのですが、その時は試験日も含めて5日間で取得できました。学科2日、実技2日、試験1日といった内訳。
個人差が大きいのは学科だと思います。僕はけっこう事前にがっつり勉強していたので学科の2日もわりと時間に余裕がありました。
一緒に受けた受講生は、全くのゼロの状態から2日間で詰め込んでいる人もいれば、1ヶ月くらい前から通ってる地元の人もいたりと様々。
2日間で詰め込みの人は、夜遅くまで勉強したりとそれなりにキツそうでした。。(無事に受かってましたが。)
受講費用は試験にかかる費用も含めて¥105,000(当時)。車の免許と比較しても、そんなに高くないんじゃないかなー、と思ってます。
もちろん、5日間集中ではなく土日を使って2〜3週間に分散させる形で講習を開催している教習所もあります。その辺は時期・地域によって様々だと思います。
■Q. なんだか楽に免許が取れるとこがあるって聞いたことがあるけど。
あるみたいです。
僕が行った教習所は、教習所と試験機関がそれぞれ独立していて、試験はオープンに行われる形でした。
一方で、登録小型船舶教習実施機関(登録教習所)という、教習所の中で試験まで行う教習所もあります。
そういった教習所でも試験はしっかりと行われているのが大半だと思いますが、中には密室での試験であることを利用して、基準に達していない生徒でも手心を加えて合格に・・ということがあるそうです。
■Q. 一級 or 二級の免許で水上バイクも乗れるの?
乗れないんです。水上バイクに乗るには別途、特殊小型船舶操縦士免許(小型特殊免許)が必要になります。
一級か二級の免許を持っていれば、小型特殊をとる際の学科試験の一部が免除されます。
■Q. 操船には絶対免許が必要なの?
免許保持者が一緒に乗っていれば、安全な海域に限り免許を持っていない人でも操船できます。
ただし、水上バイクは操縦する本人が必ず免許を保持している必要があります。
■Q. なんで船舶免許取ったの?
最初はネタでした。夏休みで南の島行きたいなーと思っていて、どうせ行くなら遊ぶだけじゃなくなんか後々にも役立つヒネリの効いたことしたいなーと思い、色々探した結果船舶免許に落ち着きました。
その後スキューバダイビングのライセンスも取得するのですが、船舶→ダイビングの順に取ったと言うと「普通逆じゃね?」と良く言われます。
■Q. 船の魅力を端的に語ってみよ。
自由度の高さ!これに尽きます。
一部海路が指定されているところもありますが、ほとんどのところは船で自由きままに移動することができます。この点が道路しか移動できない車との一番の違いです。
あとは速度が遅いところも魅力。のんびりと移動自体を楽しめるのもいいですね。
飛行機の方が立体的に動けてさらに自由度高いぞ、という意見は高所恐怖症なので却下です。
■Q. 怖くね?
陸の近くでのんびり乗っている限りでは特に怖さを感じたことはないですが、陸を遠く離れて航海に出て、海が荒れてきたときはちょっと怖さを感じました。あー、ここで転覆したら助けが来るまでは正に生死を分けるサバイバルになるんだなーって。
あと超ベテランの人がうっかり落水した話を聞いたときもちょっと怖くなりました。荒れた海で落水するとなかなか助からないらしく、その人が救出されたのはかなり奇跡的なことだったそうです。つねに気を抜かずに万が一に備えてないといけないことを学びました。
と、船舶免許について良く挙がるトピックをまとめてみました。
これ読んで船舶免許に興味が出てきた方は、是非取って一緒に船にのりましょう!(レンタルで)
では。