2011/12/04

信頼のメカニズム その1~深め方

さて前回のエントリーで信頼の量は
信頼の量=信頼の深さ × 信頼の広さ
と書きました。それを受けこのエントリーでは信頼の深め方について触れたいと思います。

信頼を深めるには二つの段階があります。最初が「透明性」の段階で、次が「提供」の段階です。

まず最初の透明性の段階ですが、これは相手と付き合うために必要な最低限の信頼関係を作るための段階です。乱暴な例を挙げるならば、Facebookにおいて「友達申請を受けるのは実際に会ったことがある人のみに限定」としている人は多いと思いますが、このレベルがおおよそ「透明性」のレベルです。人間同士の付き合いにおいて相手に対して見えない部分が多いと、謎が不安へと転換され信頼関係を築くどころではありません。信頼関係を作るには最低限付き合っても問題ないと判断できるだけの相手に対する情報が必要なのです。多くの場合実際に会うことによりこのレベルが達成できる(あるいはされないと判断できる)ので、「一度会ったことがある人は友達申請を受ける」という基準はそれなりに合理的なのだと思います。もちろんFacebookやmixiのプロフィールによりある程度補完できるところはありますが、やはり実際に会って確認できる情報量には及ばない、というのが実情だと思います。(今後テクノロジーの進化によって、ネット上に乗せられる情報が増えていった場合は分かりませんが。)

さて透明性によって築かれる信頼には限度があります。とりあえずお付き合いしても良い、というラインまでです。それを超えての信頼関係を作るには次の「提供」が重要になります。もちろん提供する側があればされる側もあるので要は両者の共同作業うということなのですが、全ての共同作業はどちらかからの提供(あるいは提案)から始まるものだと思うので提供という言葉を選びました。どちらかが知識や機会、リソースなどの提供を申し入れ、それを受けての共同の活動が行われることで両者の信頼関係は深まっていきます。逆にそのアクションが行われないと、いつまでも透明性の段階止まりの「とりあえず知り合い」の状態のままとなります。(決してそれが悪いと言っている訳ではないです。むしろそういう状態で留めておく知人もいないとリソースがいくらあっても足りません。)

ちなみにこの共同作業を通じて透明性はますます高まることが多いです。透明性が高まると次の提供の幅が広がり、結果として更に信頼関係が深まっていく、というのが信頼深化のサイクルです。

もちろん全ての人と永遠に深化のサイクルが続くわけではありません。多くの場合リソース(時間のことが多いですかね)や透明性の頭打ちによってサイクルも止まる時がきます。それでいいと思います。それがその人との最適な信頼関係なんだと思います。

個人的に唯一の例外が家族ですね。家族に対しては信頼関係の上限という概念がそもそもないですし、かけるリソースの制約もありませんから。

というのが僕の考える信頼深化のメカニズムです。実はこのメカニズムは、とある集いの場で出されたお題に対して即興で考えたものがベースになっているのですが、それなりに合ってそうな気もするので改めて文章にまとめてみました。

さて、次回はもう一つの構成要素「信頼の広め方について書いてみたいと思います。


【2020/12/15 追記】
んー、言ってることはそこそこ合ってるのだけど「ふーん」以上の感想が出てこないのは、今の僕がそもそも信頼にさほど関心がないからだと思う。

あとやっぱり「すごい理論見つけたった」的な文体がキモい。