山際淳司さんといえば一般的には「江夏の21球」を代表作とするノンフィクション作家ですが、僕にとってはNHKサンデースポーツの山際淳司さん。
中高生の頃の僕は大のプロ野球好きで、毎晩(翌朝も含め)4〜5個のスポーツニュースをハシゴして見るような子供でした。
当然多くのキャスターや解説者に触れたのですが、中でも輝いていたのが1994年〜95年にかけてNHKサンデースポーツのキャスターを務めていた山際さん。
とにかく知識量がハンパない。他局のニュースでは決して語られない深い洞察や、鋭い分析に魅了され、とにかく毎週日曜の夜が楽しみな日々でした。
そんな山際さんにお目にかかる機会はもちろんなかったのですが、一度だけ交流したことがあります。
94年の夏頃。サンデースポーツの冒頭で、好きな球団への応援メッセージがFAXで募集されたのです。当時大のオリックスファンだった僕はすかさず準備に取りかかりました。
せっかく送るなら絶対に番組に取り上げられたい、そう考えテレビに映ったときに見やすいよう家の中で一番太いペンでメッセージをしたためる。
FAXを送信するタイミングも重要。募集されたFAXは番組の中盤と終盤の二回紹介されることを知っていたので、終盤狙いなら慌てる必要はない。FAXの殺到する募集直後の時間を避け、少し時間をおいてから送信しました。
さて番組終盤のFAX紹介コーナー。小細工の甲斐あってか山際さんと共に進行を務める草野満代アナの手に僕の送ったFAXが!
僕 (ドキドキ)
草野アナ「こちらのFAX紹介しましよう。『絶対オリックス!押し寄せる青い津波!!』
_________???・・・青い津波、どういう意味ですかね?」
僕 (わっ!?伝わってない?)
山際さん「ブルー・ウェーブですね」
草野アナ「あっ!失礼しましたっ」
僕 (さすが山際さん!分かってくれたよ!!)
と、僕の送ったFAXの解説を山際さんがしてくれたのが僕と山際さんの唯一の交流。テレビに出てる大好きな人が自分の意図を察してくれたっていうのが、ただただ嬉しかったです。
そんな山際さん、翌95年の5月に病気療養のためサンデースポーツのキャスターを降板し、その直後に亡くなられました。番組内でその報を伝える草野アナの涙はちょっと忘れることができません。
以降、彼を超えるスポーツキャスターにはお目にかかっていません。
今年もプロ野球盛り上がってますね。久々に「スローカーブを、もう一球」読み返してみます。
では