2012/05/21

モノをバックアップするという発想。

個人的に今もの凄く注目しているテクノロジーが3Dスキャナです。モノに対してレーザー光を照射することで、モノの形をデータとして取り込む機械です。

3D造形の分野では、3Dでモノを復元する3Dプリンタが(一部で)話題になっていますが、個人的には3Dスキャナの方に注目してます。

3Dスキャナはモノのバックアップに使えるからです。

今や本や紙の資料は、スキャナで取り込めば一発で電子的なバックアップが可能です。必要に応じて電子ファイルを元に印刷し直すことで、必要な情報はほぼ紙面に復元されます。

でも、モノのバックアップはそうはいきません。個人的にモノを記録に残す際にはデジカメで写真に撮っているのですが、その時点で欠落してしまう情報が非常に多い点には不満を覚えています。重さとか、質感とか、匂いとかは写真にした時点で完全に情報として抜け落ちます。

モノは捨てたいけれど情報は正確に残しておきたい僕にとって、ここは是非改善しておきたいポイントです。
(余談ですが、僕が最終的に残しておきたいのはモノでもデータでもなく、それにまつわる記憶です。その記憶を喚起するのには、情報が正確であればあるほど良いんですよね。)

そこで3Dスキャナの登場です。3Dスキャナを使えば少なくともモノの大きさと形はある程度正確にデータとして保存することができます。そして必要に応じてそのデータを3Dプリンタに送れば、モノを原寸・原型で復元してくれます。写真として平面で見る以上に、モノとして目の前にあった方が記憶はより鮮明に蘇るのではないでしょうか。

カラーの3Dスキャナ、3Dプリンタも出てきているようなので色の復元もいけそうです。

あとは、質感、匂いですかね。これをやるには成分データも一緒に保存/復元する必要があると思うので、実現はもうちょっと先かもしれませんが(どっかで研究してそう)。それこそ実現できたらドラえもんのフエルミラーの世界です。(しかも左右逆にならない!)

非常に楽しみなテクノロジーなので個人的にとっても期待しています。

と持ち上げておいて、いざ目の前に来ると「めんどくさい」と言って相変わらずデジカメで撮ってそうな気もしますが

では。


【2021/01/14 追記】
さらに想像をふくらませるなら、高性能な3Dプリンターが行き渡った世界では、モノを購入する際に販売されるのは構造データだけになるのではないか。構造データをから3Dプリンターでモノを復元し使用する。

そうなると始めからデータはあるので、3Dスキャナーの出番はなくなりますね。

当然、構造データからは複製し放題になるのでそこに対するコピーガードがかけられる。けれども海賊版が出回り・・・という歴史を人は繰り返しそう。