「痛み(Pain)を伴ってこそ、価値あるもの(Gain)は手に入る」的な意味のこの言葉。新卒で入った会社の入社式で紹介され、当時は「いいこと言うな〜、このおっちゃん」と感銘を受けたものでした。
それから11年。結論として、僕はこれを思考停止の言葉と判断しました。
この言葉は確かに物事のある一面は示しています。
価値あるものを手に入れるにはある程度の労力が必要、この点に異論はありません。
ただ、その労力がPainである必要はない。
多くの場合、Painの対価としてのGainが確実に得られる保証はありません。もしPainの先にGainが無かったら痛かっただけ損で、Painに耐えた時間に価値を見出すのは難しいです。
それよりはFun(楽しみ)によってGainを得たいと思う方が自然ですし、よしんばその先にGainが無かったとしても楽しかったのであれば、それはそれでOKです。
価値あるものを手に入れるための手段をPain一択にしてしまうのは思考停止であって、それよりはFunによってGainを得る方法を探す方がより自然だし生産的というのが僕の結論です。
ただ、そのためには自分が何をFunと思うかをしっかり把握しておく必要があります。でなければ、Gainを得る手段として安易なPainに頼るしかなくなりますので。
周囲にとってはPainだけど自分にとってはFunなものが見つかれば最高ですね。競合も少なく希少価値がでます。
冒頭で書いた通り当時はこの言葉に感銘を受けていたので、右も左も分からぬ新入社員にとりあえず仕事させるには効果的な言葉だったのは確か。それから11年。全く別の解釈をするようになったのは成長したのか、ひねくれたのか(笑)
では。
【2023/4/3 追記】
"No pain, No gain" が思考停止なのは確かだけど、一方でFunからGainを得るにはそれなりに実力が必要なのもまた事実。挨拶しかできない新卒に「Funが~」とか言われてもうっとおしいだけなので、入社式での訓示としてはやっぱりナイスな言葉だったと思う。
ただ、ずっとそれのみを信じてPainに耐え続けるのは人生もったいないので、徐々にFunに寄せていければ人生もっと楽しめると思う。